ハチコウ大学講座

ハチコウ大学講座「----トイレめぐり----THE TOKYO TOILET~全17のトイレめぐり~第3回 鍋島松濤公園から代々木深町小公園」を開催しました

公開日

令和7年 10月07日(火曜日)

世界で活躍する16人の建築家やデザイナーの設計で、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できる公共トイレが区内17か所に設置されました。このトイレを舞台にした映画「PERFECT DAYS」も制作されています。本講座では設計者の紹介と各トイレのコンセプト、建築上の特徴などを詳しくご紹介しながら、全17のトイレを4つのブロックに分けてめぐります。今回第3回は鍋島松濤公園トイレから代々木深町小公園トイレまで、4つのトイレをまわりました。途中、代々木八幡宮にも参拝しました。



まずは鍋島松濤公園トイレを訪れました。



デザインは隈研吾氏(建築家)。

1954年生まれ。東京大学大学院建築学専攻修了。東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。1964年東京オリンピック時に見た丹下健三の代々木屋内競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を目指す。コロンビア大学客員研究員を経て、1990年、隈研吾建築都市設計事務所を設立。これまで30か国を超す国々で建築を設計し(日本建築学会賞、フィンランドより国際木の建築賞、イタリアより国際石の建築賞ほか)国内外で様々な賞を受けている。その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。
隈研吾氏談
緑豊かな松濤公園に、集落のような、トイレの村をデザインした。ランダムな角度の耳付きの杉板ルーバーに覆われた5つの小屋は『森のコミチ』で結ばれて、森の中に消えていく。多様なニーズ(子育て、身だしなみ配慮、車いす等)にあわせて、村を構成するひとつずつのトイレの、プラン、備品、内装も異なる。そのいろいろな個室を分棟とすることで、ポストコロナの時代にふさわしい、公園に開かれた風通しの良い、通り抜けのできる『公衆トイレの村』ができあがった。トイレにも多様性の時代、森の時代がやってきたのである。



続いて、代々木八幡公衆トイレを訪れました。



デザイナーは伊東豊雄氏(建築家)。
1941年生まれ。65年東京大学工学部建築学科卒業後、菊竹清訓建築設計事務所に勤務。71年にアーバンロボット設立。79年伊東豊雄建築設計事務所に改称。主な作品に「せんだいメディアテーク」「TOD'S表参道ビル」「多摩美術大学図書館(八王子)」「みんなの森 ぎふメディアコスモス」「台中国家歌劇院」(台湾)など。日本建築学会賞、ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞、王立英国建築家協会(RIBA)ロイヤルゴールドメダル、朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞、プリツカー建築賞、UIAゴールドメダルなど受賞。2011年に私塾「伊東建築塾」を設立。これからのまちや建築を考える場として様々な活動を行っている。
伊東豊雄氏談
代々木八幡宮の森から生まれた3本のキノコのようなトイレです。山手通り沿いに建っていますが、参道にあたる階段の上り口にあるので背後の森と調和するようキノコを連想させる表現を採りました。個室型のトイレを3つに分散させることで回遊性を生み出し、行き止まりが無く視線が抜けることで防犯性を高めています。また、各個室の広さを豊かにとり、従来は多目的トイレに集約していた高齢者や子供連れのための機能も男女の個室へと分散することで、パブリックなトイレとして多様な利用者にとって利用しやすいつくりとしています。

途中、代々木八幡宮に立ち寄りました。
旧社格は村社。八幡神として応神天皇を主座に祀り、天祖社・天照大神、白山社・白山大神を配祀する。源頼家の近習・近藤三郎是茂の家来だった荒井外記智明によって創建された。頼家が修禅寺で暗殺されたあと、智明は武蔵国豊島郡代々木野に隠遁し、主君の冥福を祈る日々を送っていたある夜、鎌倉の八幡大神から宝珠のような鏡を授かり、託宣を受ける夢を見た。そこで建暦2年(1212)9月23日、元八幡の地に小祠を建て鶴岡八幡宮より勧請を受けたのが当社の始まりと伝えられる。現在でも例祭は9月23日に行われている。昭和25年、境内の発掘調査が行われ縄文時代の建物跡などが発見された。「代々木八幡遺跡」として渋谷区の史跡に指定され、境内に竪穴建物を復元したものがある。


最後に、代々木深町小公園トイレとはるのおがわコミュニティパークトイレを訪れました。



デザイナーは坂茂氏(建築家)。
1957年東京生まれ。建築家。慶應義塾大学環境情報学部教授。1985年、坂茂建築設計設立。1995年、NGOボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN、現在NPO法人)設立。住宅や美術館の設計、災害支援活動を行う。プリツカー賞(2014)をはじめ、フランス芸術文化勲章コマンドゥール(2014)、マザー・テレサ社会正義賞(2017)など受賞多数。
坂茂氏談
公共のトイレ、特に公園にあるトイレは、入るとき二つの心配なことがあります。一つは中が綺麗(クリーン)かどうか、もう一つは中に誰も隠れていないかどうか。新しい技術で作られた鍵を締めると不透明になるガラスで外壁を作ることで、トイレに入る前に中が綺麗かどうか、誰もいないか確認でき、その二つの心配をチェックすることができます。そして夜には美しい行灯のように公園を照らします。

今後も皆様の学びの好奇心を満たす一助となれるような講座を企画していければと思います!