国立能楽堂が実施している「国立能楽堂オープンデイ」にハチコウ大学生枠を設けていただき、今回の実施となりました。
ワキ方宝生流の方々が実際の能舞台や演者の控室を案内してくださり、普段は見ることができない場所が見られる貴重な機会となりました。

まずは能舞台を客席側から見学しました。
舞台には大きな松の絵が描かれていますが、ここは鏡板と呼ばれる場所です。
なぜ鏡かというと、客席側に神を宿す松があるとし、それが映っているとすることから、そう呼ばれるそうです。
橋掛かりと呼ばれる渡り廊下のような場所、こちらの下側には白い玉砂利が敷かれています。
これは今でいうダウンライトの効果を狙っているそうです。
また、舞台から近い順に「一の松」「二の松」「三の松」と松がならんでいますが、揚幕近くの三の松が最も小さく、本舞台近くの一の松が最も大きくなるように植えられています。
これは、観客から見て、奥にある松が小さく、手前が大きく見えるため、実際よりも橋掛かりの距離が長く感じられ、立体的な奥行きが演出されることを意図してそのようになっているとのことでした。


次に演者の方の着替えや舞台衣装に着替える控室を見学しました。
小道具などは絶対に床には置かず、棚の上に置くそうです。
これは、踏んづけて破損することを防ぐために徹底しているとのこと。
また、国立能楽堂の控室は襖を開放して、全ての控室が一続きになっているのですが、これは、当日の講演を仕切る方が全員の準備が整うタイミングを確認するためにそのようにしているとのことでした。


続いて舞台裏から実際の能舞台を見学しました。
鏡の間と呼ばれる演者が橋掛かりに出る直前の場所で面の最終調整を行うそうで、そこでは阿吽の呼吸が必要となるそうです。
また、揚幕をあげる時間は演者のおま~く(お幕)という発声の長さやテンポで素早く上げたり、ゆっくりあげたり、人力でコントロールしているとのことでした。

橋掛かりから能舞台へ実際に歩いて進むことができました。
切戸口という突然舞台から消えたり、死者が通る場所という演出で使われる場所も実際にくぐって舞台裏を進みました。



最後に再び控室のお部屋に戻り、着物の柄や色の説明、能面の説明を受けました。
着物の柄や色によって強さや格式の高さが表現されているとのことです。
こういった知識を持って舞台を見ると、より楽しめるとのことでした。
また、鬼についての説明もあり、実際に症状として強いストレスを感じると角のようなふくらみができることがあるそうです。
鬼は強い執念や怨念によって人が変化したものとされるので、あながち、荒唐無稽とも言えないとのことでした。









最後出口では、国立能楽堂のキャラクター「はんにゃちゃん」がお見送りしてくれました。
国立能楽堂では、令和8年3月にも同内容のガイドツアーを開催するようです。
ご興味のある方は以下のリンクよりご確認ください。
国立能楽堂オープンデイを開催します! | 独立行政法人 日本芸術文化振興会
今後も皆様の学びの好奇心を満たす一助となれるような講座を企画していければと思います!
ハチコウ大学講座
ハチコウ大学講座「国立能楽堂オープンデイ ガイドツアー」を開催しました
公開日
令和8年 1月30日(金曜日)