ＮＰＯ法人Ｆａｒｏを取材しました

　シブカツではNPO団体との連携を目的として、直接団体を訪問し情報交換を行っています。今回は恵比寿・広尾地区で活動しているＮＰＯ法人Ｆａｒｏを取材するため、加計塚小学校の校庭を訪ねました。

　「ＮＰＯ法人Ｆａｒｏ」は、渋谷区を中心に活動し、子どもたちの心と体の育成をサポートする特定非営利活動法人です。

　事務局からＮＰＯを立ち上げた経緯や活動内容、エピソードなど興味深いお話をお聞きすることができました。

〇ＮＰＯを立ち上げた経緯について
　2002年に恵比寿地区を本拠地として、「子どもたちが運動によって、将来社会で役に立つ経験を積むことができる環境づくり」を目標とする地域融合型サッカーチームとして渋谷東部ＪＦＣを設立しました。その後2010年に更なる環境向上とstaffの雇用環境の整備として、東京都に申請しＮＰＯ法人の認証を受けました。

〇活動内容について
　少年サッカーチームの活動は加計塚小学校、長谷戸小学校、広尾小学校、臨川小学校にある各サッカーチームを母体として、週7日各学校の校庭でサッカーの練習のできる場を提供しています。これらの合同活動の中で大会に出場する際は合同チーム名渋谷東部ＪＦＣとして参加しています。
　また、法人としては少年サッカー以外にも、女子サッカー、空手、クライミング、チアダンスと幅広く活動サポートを行っており、全体の会員は約350人が登録しています。
　 法人の目標としてスポーツを通じた人間育成を第一に日々活動しています。例えば春、夏、秋に開催しているサッカー合宿には、バス２台で幼年生から多数の子供たちが参加してコーチも日常コーチの他、チームで育ったOB、OGたちが参加します。合宿中は判断力の育成指導を目標として「こどもたちだけでなんとかしよう」というスタンスで行い、保護者から離れて2泊3日の合宿で子どもたちが考える、行動する合宿を行う事でたった２泊３日ですが子供たちは一回り大きく成長します。また、海外にも視野を広げ、高学年になると希望者を募って海外遠征事業も行い海外のサッカー大会にも参加しています

〇エピソード
　2011年の東日本大震災が起きる前にＦａｒｏサッカークラブは福島県の浪江町の"マリンパークなみえ"で毎年春・夏の合宿を行っていました。震災による津波、原発の影響で施設は現在も閉鎖中です。
　毎年子どもたちを我が子のように受け入れ、成長させ、かけがえのない時間をくれた"マリンパークなみえ"の復興を願う応援活動を行っています。毎年「マリンパークなみえ応援メッセージ」をつけてＦａｒｏユニフォームを作成しています。
　このユニフォームは、"マリンパークなみえ"閉館後も当時お世話になった従業員の方にもお送りしており、普段の活動時にも使用し、"マリンパークなみえ"の復興を願いつつ「絆」を繋げ、移動時の子供たちの安全面でも大役を務めています。

〇コロナウイルスの影響について
　今年は新型コロナウイルスの影響による非常事態宣言により数々の活動が見送り、休止となり、やっと10月に活動が一部再開したところです。大人の感覚では数カ月での出来事でしたが子供たちにとっては非常に影響のある数カ月になりました。
　成長期、育成期の子供たちが運動を出来なかった事の影響は活動再開後あらゆる部分で限界ギリギリだったのだと感じました。
　活動再開後は歩くところから始めランニングに強度を上げてから練習を再開しました。ここ最近ようやく体力や感覚が戻ってきたところです。
　今日の練習は幼稚園の年中、年長と小学1・2年生のクラス。コーチの指導のもと子どもたちが元気いっぱい駆け回りボールを蹴っていました。

　最後に女性コーチの長井コーチにお話をお伺いしました。長井さんは、広尾小学校、広尾中学校の卒業生、渋谷東部ＪＦＣで育ち、その後、浦和レッズのアカデミーに入りなでしこリーグを経験し、現役引退後、今年度からコーチとしてこの地域に戻ってきました。
　「小学生からここで育ててもらいました。それでサッカーが好きになって中学、高校、大学、社会人とサッカーをずっと続けたいと思ったのもこの渋谷東部ＪＦＣおかげです。サッカーをやめようと思ったタイミングで、小学生の時に教わったコーチたちが今も子どもたちを指導しており、一緒に子どもたちにサッカーを教えたいと思い参加しました。初体験ばかりですが、子どもたちはとても元気いっぱいで試合に勝つとすごく喜んでくれたりとても楽しく指導が出来ています。」と笑顔でお話しされていたのがとても印象的でした。

ＮＰＯ法人Ｆａｒｏはシブカツサイト内の「コミュニティを探す」においても紹介しています。