朝晩の冷え込みが日に日に増し、秋の深まりを肌で感じる季節となりました。今年は例年に比べて気温の変化が激しく、日中は汗ばむ陽気の日もあれば、夕方には急に冷え込む日もあり、体調管理に気を遣う日々が続いています。そんな中、11月8日(土)に渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツでは、知的障がい者教室ボランティアセミナー「モルックでひらく、ふれあいと共感の時間」を開催しました。今回のセミナーは、知的障がいのある方と共に学び、共に楽しむことをテーマに、誰もが参加できるスポーツ「モルック」を通じて、自然な交流と共感を育む場として企画されました。
背景には、教室の活動を通じて培われてきた「障がいの有無にかかわらず、共に過ごす時間の中で信頼関係を築き、人として成長していく」という理念があります。特に、特別支援学級卒業後の知的障がい者にとって、学びや余暇の場が限られている現状を踏まえ、地域の中で継続的に関わり合える機会を創出することが求められています。
また、今回のようなセミナーを通じて、初めて障がいのある方と接する参加者にとっても、「どう関わればよいか分からない」という不安を乗り越え、実際に一緒に活動する中で「笑顔で話しかけることの大切さ」や「障がいも一つの個性である」という気づきを得ることができる貴重な機会となります。モルックというシンプルで誰でも楽しめる競技を媒介に、参加者同士が自然に声を掛け合い、助け合いながら過ごす時間は、まさに「共感」と「ふれあい」の実践の場となりました。
両運営委員長による対談
セミナーでは、渋谷区知的障がい者幡ヶ谷教室「GAYA」の運営委員長である浦野耕司さんと同じく渋谷区知的障がい者恵比寿教室「えびす青年教室」の運営委員長の稲沢憲さんによる対談が行われました。「知的障がいのある人と共に活動するということ」をテーマに、それぞれの教室の理念や日々の活動、ボランティアの関わり方などが語られ、参加者の理解を深める時間となりました。
続いて、活動紹介では、「GAYA」や「えびす青年教室」での年間プログラムや、季節イベント、クラブ活動の様子が紹介されました。参加者は、障がいのある人もない人も一緒に活動することの意義や、地域とのつながりの大切さに触れ、共感の輪が広がりました。
▼実際のプログラム内容を映像や写真で振り返りながらの対談には、皆さんも興味津々のご様子...!
いよいよモルック体験!
その後、いよいよメインプログラムである「モルック体験」へと移りました。モルック体験では、まずチームに分かれてそれぞれ名前を決め、練習スタート。ほとんどの参加者が初めての挑戦でしたが、ピンの並べ方や点数の数え方などを互いに教え合いながら進める姿が印象的でした。「どうやったらピンが倒れるか」「どうやったら勝てるか」など、計算が得意な人がリードしながら、作戦を立てる場面もありました。難しい場面では自然と助け合いが生まれ、参加者同士の距離がぐっと縮まる瞬間が何度もありました。
モルックの投球では、ピンが倒れるたびに歓声が上がり、会場は笑顔と拍手に包まれました。点数を数える場面では、参加者が協力して確認し合い、「ナイス!」「あともう少し!」といった声が飛び交い、チームスポーツとしての一体感が生まれていました。「一緒に楽しむ気持ちがあれば大丈夫!」という言葉通り、障がいの有無に関係なく、誰もが自然に関わり合い、笑顔で過ごす時間となりました。
▼皆に見守られながら緊張の一投...! 投げた後は大きな歓声と温かい拍手が毎度沸き起こりました▼
モルック体験の後は、参加者による感想発表の時間が設けられました。初めて障がいのある方と活動を共にした参加者からは、「学級生やメンバーから気軽に話しかけてくれて嬉しかった」「笑顔で話しかけることの大切さを実感した」といった声が寄せられました。 また、「障がいは一種の個性であると感じた」「学級生やメンバーが積極的に活動していて楽しそうだった」といった前向きな気づきも多く、参加者の中には「最初はどう関わればよいか分からず抵抗感があったが、継続して慣れていきたい」と話す方もいました。こうした率直な声が共有されることで、参加者同士の理解が深まり、今後の関わり方へのヒントにもつながる時間となりました。
「一緒に楽しむ気持ちがあれば大丈夫です!」という合言葉が自然と口にされるほど、会場には安心感と前向きな空気が広がっていました。セミナーの最後には、運営委員からのまとめの言葉がありました。「今日のような場を通じて、障がいのある人もない人も、共に活動することで信頼関係を築き、人として成長していくことができる」とのメッセージが伝えられ、参加者一人ひとりがその意味を噛みしめるように静かに耳を傾けていました。
▼「モルック~!」の掛け声と共に笑顔の皆さん 決勝は1点差の白熱した勝負となり大盛り上がりでした
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セミナーを終えて
今回のセミナーを通じて、モルックの魅力とともに、障がいのある方との自然な交流の可能性を感じることができました。参加者一人ひとりがそれぞれの立場から学び、気づき、そして笑顔で過ごしたこの時間は、地域の中で共に生きることの意味を改めて考えるきっかけとなったように思います。
そして、こうした交流の場は、継続的な関わりによってさらに深まっていきます。今回の体験を通じて「もっと関わってみたい」「また参加したい」と感じた方には、ぜひ青年教室でのボランティア活動への参加をお待ちしております。GAYA(幡ヶ谷社会教育館)やえびす青年教室(恵比寿社会教育館)では、月1回の活動を中心に、運動・工作・料理・外出・季節イベントなど、さまざまなプログラムが展開されています。
ボランティアは高校生から80代まで幅広く、初めての方でも「一緒に楽しむ気持ちがあれば大丈夫!」という雰囲気の中で、自然に関わり合うことができます。活動を通じて、障がいのある方とのコミュニケーションの楽しさや、地域とのつながりの大切さを実感できるはずです。
次回は、ぜひ実際の教室でお会いしましょう。体験ボランティアや継続的な参加に関心のある方は、各教室の活動日程や参加方法について、お気軽にお問い合わせください。